平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ
岡本真帆
ぜんぶ祝福したい。
とくべついいことがなくてもこういう瞬間ってある。
「ごらんよビールこれが夏だよ」
そういわずにいられない、すべて愛おしい。
この人も、ビールも、夏の空も。
そしてこれはわたしじゃないだろうか、とも思える。
「祝福」の存在まるごと万歳感。
「褒める」よりも、「祝福」がいい。
子どもたちのことも、わたしたちのことも。
*
岡本真帆さんの一番有名な歌はこれだろうか。
───ほんとうにあたしでいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし──
ずぼらだし・・・のあとを置きかえる遊びも流行っていた。
多少のあざとさも愛らしければよし。
自己紹介もこんなふうにできたなら。
*出典 岡本真帆『水上バス浅草行き』より