平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ

岡本真帆

ぜんぶ祝福したい。
とくべついいことがなくてもこういう瞬間ってある。

「ごらんよビールこれが夏だよ」

そういわずにいられない、すべて愛おしい。
この人も、ビールも、夏の空も。

そしてこれはわたしじゃないだろうか、とも思える。

「祝福」の存在まるごと万歳感。
「褒める」よりも、「祝福」がいい。
子どもたちのことも、わたしたちのことも。


岡本真帆さんの一番有名な歌はこれだろうか。

───ほんとうにあたしでいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし──


ずぼらだし・・・のあとを置きかえる遊びも流行っていた。

多少のあざとさも愛らしければよし。
自己紹介もこんなふうにできたなら。

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*出典 岡本真帆『水上バス浅草行き』より