ねえ
人がひとりずつわかれているっていう ことには……
だまって!
うん
手をもったまま
おやすみ
松下育男
いつひらいてもやわらかい詩集。
易しい言葉がかるく意味を超える。
ひとり同士それぞれの日常を映す。
雨がふったり、
朝が襲ってきたり、
昔のホームルームが続いていたり。
なにも難しくないことに気づく。
本当はここにあることを知ってる。
*
手をもつ、
というのはどういうことだろう。
手をつなぐ、
とのちがいは、なに。
手をもったまま、ねむる。
そこに手があって、もつ。
べつべつの重さと体温。
決してつながったりしない、
でもたいせつだから、もっている。
*
ある日の松下育男さんのツイート。
https://twitter.com/fampine/status/1653530366261760001?s=20
こんな詩がいつもくるんでくれる。
*出典 松下育男『コーヒーに砂糖は入れない』より